ワールドアドベンチャーズPRESENTS!特集!美しい海と生命を巡る旅、写真と文で綴る旅のコラム〜第1話目

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ワールドアドベンチャーズPRESENTS!特集!美しい海と生命を巡る旅、写真と文で綴る旅のコラム〜第1話目

01 旅と出会いと時々晴れ 旅ブロガーの仕事を手に入れる

 「人生は旅」
これが、私が思い描く人生のテーマだ。

私が旅ブロガーとして夢を手に入れる前に
旅を仕事にしていくようになった経緯をすこしお話させて頂きたい。

当時私は、多くの仕事を抱えていていた。
灰色のビル群、ひしめくネオン、耳障りな広告の音声。どれもが皆身体に染み付き、
私の足をズルズルと引きずる毎日だった。

使い古されたビジネスバックの中には、
煩雑になって見もしなくなった書類たちがカバンの中にひしめいていた。
慢性的な息苦しさを感じながらも私は、紐を首からぶら下げてただただ亡霊のように
時間という檻の中を生きていた。


欲望と罪悪感の間に揺れながら、
希薄になって剥がれ落ちていく正気に目を当てようとはしなかった。

抑うつ的な日常から逃れるため、人を嘲け笑い平気で嘘をいう。
自分よりわずかでも低い立場の人間を見れば支配し陥れる。
反復する平坦な毎日に耐えきれず罪悪感を押し殺しながら生きてきた。

鬱積されたストレス社会で生き抜くためには、
誰かを出し抜いてでも生きていかなければならない。
偏った社会構造と虚像、
そのどちらもが硬い扉のなかで生きる私を圧迫し下流へと押し流していった。


 「なんとかしたい、ここから抜け出したい」


 こんな日々を送っていた私に、一つの転機が訪れる。
たまたま知人の誘いで行った勉強会に
これまでにあったこともないような美しい女性を見つけた。

長く伸びた亜麻色の髪は緩やかな曲線を描いて腰に届くまであり、
どこか異国を感じさせる衣服には秀麗さと気品を感じさせた。
美しく透き通った瞳、口角の上がった口元から溢れる笑顔は、
彼女がこれまでに歩んできた幾つもの人生を象徴しているように感じられた。

彼女は、旅を仕事にしていると私に話してくれた。

いくつもの国々を旅し、美しい景色や生き物を写真に収め
記事を書くことで生計を立てているとのことだった。
今の私とは全く正反対の、自由で豊かで軽やかな暮らし。
そんな彼女に心奪われ、私は言葉を駆ける暇もなく、
ただただ羨望の眼差しを向けるだけに終わった。

美しい彼女の言葉には
経験してきたものにしかわからない重厚さと真実が溢れ、
いつしか私も変われるのでは無いかと思えるようになっていった。

「今の自分を変えたい、本当の自分の人生を歩みたい」

そう思うようになっていった。
窮屈で息苦しかった今までの生活を捨て、私は考えることもなく旅立つことを決心した。

「蔵の宝より身の宝、身の宝より心の宝第一なり」

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